大規模物流倉庫や工場など
ほぼ屋外と言える施設向け冷暖房空調設備のご提案
屋根及び壁はあるが、大きな扉やシャッターを全開にしているためほぼ屋外の環境にある施設
近年大規模物流倉庫における作業員熱中症対策として、具体的に空調設備導入を検討するにあたり、設置に伴う室外機置場が無い。或いは、配管工事が困難・室外機置場が離れすぎているなど、高コストになるため、仮設の「冷風扇やスポットクーラー」などで熱中症対策を行っている施設が多々ございます。
しかし、冷風扇やスポットクーラーの効果は、作業員の皆様が満足されるほどではなく「無いよりはマシな程度」と言えます。


大規模物流倉庫における暑さの原因は、大きく2つ。
①湿度と②動かない空気(気流)
① 湿度
入出庫時のシャッター開閉時に屋外から高温多湿な空気が倉庫内へ多量に侵入します。
しかし、外壁が透湿性のない防火壁などのため、倉庫内に侵入した湿気の出口がなく室内は「ムシムシ状態」 となります。
この湿気を除去するには「エアコン」以外方法はありません。
因みに、水の気化熱による冷風扇は、吸込み温度をマイナス 5°Cクールダウンできるところが特徴ですが、同時 に気化=加湿しています。従って、吹出しの冷風を直接感じられる距離のスタッフは涼しく感じますが、一方 離れた場所のスタッフにとっては「ムシムシ状態を悪化させる装置」となります。
要するに、屋外からの高温多湿な空気にプラスして「冷風扇による加湿」をしている状態です。
※冷風扇は、電源容量が乏しい屋外や風通しが良い建物内での使用が有用です。
それから、省エネタイプのスポットクーラーの場合ノンドレン式と言って除湿したドレン水を凝縮器に散布して排熱で蒸発させることによりドレン水を処理していますが、蒸発=加湿であり、せっかく除湿した空気中の湿気であるドレン水を空気中にわざわざ戻している状態です。
② 動かない空気(気流)
当該施設は事務所などの居室とは違い、倉庫のため必要最低限の換気しかありません。
従いまして、フォークリフトなどの作業動作による気流以外、扉やシャッターを閉鎖すれば「ほぼ無風状態」となります。
※仮に扉やシャッターが全開でも対角に窓や開放部が無ければ風は通りません。
この気流がない状態に多湿が重なると我々人間は「暑く感じます」。
湿度が高ければ高いほど「汗が噴き出す暑さ」となります。
しかし、ムシムシ状態のなか若干でも気流:風を感じられれば「いくらかマシな状態」になります。
※たとえば大型シーリングファンは、「いくらかマシな状態」にできる設備と言えます。

まとめ
■ムシムシ状態の湿気を除去するにはエアコン以外方法はない。 当該施設における熱負荷を、最低 1 m²当り100kcal/h で設計します。
※本来 130kcal/h 以上 200kcal/h 程度が望ましい。
※100kcal/h を下回りますと、冷風扇のような近距離で風を感じられるスタッフだけが涼しい。
■冷風扇は湿度を高めるため逆効果。 空間空気をかき混ぜる気流を作ることを目的に、扇風機やサーキュレータファンを活用。
※体感的に気流を感じられると効果ありです。一般的なサーキュレータファンが有効。
※スポットクーラーは一般のエアコンに比べて除湿性能的に物足りません。
※40°C以上の環境では有効。 ※大型シーリングファンは、「いくらかマシな状態」にできる設備。
空調方式:オールフレッシュ外調機
(室内外一体型)をご提案します。
■各方式を下記に示します。
※効果:作業員スタッフが涼しい/暖かいと体感できる度合。
方式 | 冷風扇 スポットクーラー |
一般空調プレナムチャンバー式 (床置き室内・室外機) |
オールフレッシュ外調機 (室内外一体型) |
対象エリア | スポット | 全体 | ゾーン |
冷房効果 | ▲ | ○️ ある程度効果あり |
◎ 効果あり |
暖房効果 | ✖ なし |
○️ ある程度効果あり |
◎ 効果あり |
冷媒配管工事 | 不要 | 必要 ✖ コスト大の原因 |
不要 |
ドレン配管工事 | なし | 必要 | 必要 |
設置工期 | ◎ 仮設 |
✖ 7 日以上 |
○ 1 日 |
※冷風扇・スポットクーラーにつきましては、先述の通り。
■一般空調プレナムチャンバー式(床置き室内・室外機)
一般空調の場合、室外機置場が必要です。それから、ドレン 配管と溶接による冷媒配管工事も必要で 24 時間・365 日稼 働する物流倉庫内での高所作業は現実的に困難でありコス ト高の主な原因です。また、通路・積載場所・作業場所等の レイアウト変更に伴い、室内機を移設する場合、工事には大 きなコストと工期がかかります。 なお、一般的プレナムチャンバー式の場合、吹出しダクトを 3m以上高くし吹出すことで、到達距離を 15m~にできます が、10m以上離れるとほとんど気流を感じません。また、気流が乱流発生する容積が大きくなるため熱負荷を1m²当り 150kcal/h 以上で設計しないとエアコン能力不足となり涼し く感じません。
■オールフレッシュ外調機(室内外一体型)
外調機なので、しっかり冷暖房できます。設置 が簡単。室外機置場不要。冷媒配管工事不要。電源工事とドレン配管だけ。そして、本来屋外に設置するタイプですが、屋内に設置することで効果的に室内除湿を行えます。 ※ただし、排熱部に工夫が必要です。

大規模倉庫の4mを超える高天井を有効活用し、排熱部を円筒で床から2.5m程度まで高くして、人が作業する高さ2m以内に熱風が降りてこないように工夫することで効果的にゾーン空調を行えます。※上昇した排熱は、既設の3m以上高い位置に設置されている有圧換気扇などで排出。さらに、1mロータリーノズル式吹出しにすることで到達距離を 30mに延ばせます。
■外調機 16 馬力の場合
ゾーン空調目安:200〜400 m²

1mロータリーノズル可倒式吹出しで到達距離:30m
この方式なら離れた位置からでも、ある程度ゾーンを狙って冷風を送気できるので、エアコンの配置射程距離を広く想定出来ます。
※20m離れた位置でも、ある程度気流を体感できます。
※接続がファスナーの布製ホースダクトは、必要に応じて簡単に延長できます。
※熱中症対策として「当該空調設備+サーキュレーターや空調服を併用」されると効果的と考えます。
※タイロンは1mにすると質量が≒3.6kgあるため「お辞儀」状態となるため 500mm程度に抑え、布製ホースダクト/防炎加工品を 1m(163g)にすることで到達距離を 30mに延ばせます。
導入事例
大規模物流倉庫ロジスティックス | 床置きセパレート形 20 馬力

10tトラック直接アクセス

柱間隔 10m 階高 6.45m
【お施主様導入目的】
3階物流倉庫作業場スタッフ熱中症対策として冷風扇やスポットクーラーで対応していたが効果的でないため、設備用エアコンによる除湿された涼風ドライエアでスポット的ゾーン空調を実現し作業環境改善を図る。
対象空調ゾーン:5,700 m² 工期:一ヵ月 | 施工 2022 年 6 月 所在地:大阪市住之江区南港南
空調機:ダイキン FGXVP560MA/GXUDP560G (20 馬力)×12 セット= 240 馬力 ※GHP 耐塩害仕様
■床置きセパレート形 20 馬力の場合
ゾーン空調の目安:250~500 m²
場内空気を効果的・体感的に動かすには、天カセ天吊りに比べ吸込み位置が低い床置き形が有用です。

布製ホースダクト 1mロータリーノズル式吹出しで到達距離 30m
施設環境により、室外機置場があり冷媒配管工事が可能であれば、もちろん省エネ性能に優れた床置き セパレート形パッケージエアコン EHP/GHP をおすすめします。そして、ロータリーノズルチャンバー 式吹き出しなら離れた位置からでも、ある程度ゾーンを狙って冷風を送気できるので、エアコンの配置 射程距離を広く想定出来ます。
※布製ホースダクト S-425φ-1000L
※20m離れた位置でも、ある程度気流を体感できます。 ※1m単位で接続がファスナーの布製ホースダクトは、必要に応じて簡単に延長できます。 ※熱中症対策として、当該空調設備+サーキュレーターFAN や空調服併用で更に効果的です。

標準デザイン刺し子風+設計施工会社様オリジナルロゴ UV 印刷|AI データ:CMYK
※PB オリジナルデザインや広告印刷も承ります。
当該システムは、
ほぼ屋外と言える大規模物流倉庫や工場などの熱中症対策に対応できる空調システムです。
全体でなく、必要な作業場へスポット的ゾーン空調が可能となり低コスト。
冷房はもちろん、暖房もしっかり暖かく、夏冬共に効果的な空調システムです。
災害時の仮設テントから
ほぼ屋外と言える大規模物流倉庫や工場などの冷暖房空調設備のご相談は
お気軽に気水工業株式会社へ
まずは、現状確認とヒヤリングにお伺いした後、ベストプランをご提案いたします。


表面にデザイン印刷できる|つなぎはファスナー|平たくたためるダクト
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